矯正歯科と審美歯科の違いとは?歯並び治療における違いと具体的なケース

2021年6月28日

執筆者:粕谷院長

審美歯科治療では、主に歯や歯並び口元を美しくすることを行なっています。その中でも歯並びを治す治療も多く行われているのですが、それは、矯正歯科の治療とは何が違うのかということです。
矯正歯科でも、歯並びを改善するための治療を行っているため、両者の違いが少しわかりにくいかもしれません。審美と矯正、この二つにはどのような違いがあるのか、説明していきたいと思います。

矯正歯科と審美歯科の違いとは?

審美歯科と矯正歯科の違いは最終的な目標です

綺麗にすることから見ると、一見、審美歯科も矯正歯科もさほど変わらないように見えます。しかし、根本的には大きな違いがあります。

矯正歯科治療の目標とは?

矯正治療は、歯並びが悪くなっている根本的な原因を改善し、歯の並びや噛み合わせを改善していくことにあります。ゆっくりと時間をかけて、歯を本来の位置に動かし、歯並びを改善にするので、治療を開始してから数年かかります。

また、矯正治療が無事完了しても、その後リテーナーと呼ばれる装置を入れ、元に戻ることを防ぐ期間も必要となります。つまり、矯正治療は歯並びが悪くなってしまった原因を究明し改善することが目的であり、正しい噛み合わせや歯並びへ戻すことが目標となります

審美歯科治療の目標とは?

一方、審美治療で行われる歯並びの修正は、長期的に治療するものではなく、短期間で改善させる方法を用いることが多いです。例えば、歯を削って歯並びの乱れを修正したり、被せ物をして見た目を整えたりします。口元の美しさを重視をしているため、できる限り短期間で綺麗に見せる方法をとることが多いです。

つまり、審美治療は短期間で見た目を改善し、患者さんの希望の形に改善することが目標となります

ですから、同じ歯並びを改善したいという悩みを持っていても、矯正歯科と審美歯科では提案される治療法は異なります。自分の目的を明確にし、どちらの治療法を選択するか考える必要があります。

矯正歯科か審美歯科か?治療の目的は?

口元が気になり不安を抱いていて、これから治療を受けたいと考えている方は、自分のお口の不安をどのように改善したいのか?という目的を明らかにすることが大切です。

歯並びが悪いから綺麗にしたい場合、歯並びを改善して、噛み合わせや口の動きなど本来の機能を改善にしたいのでしょうか?それとも、人から見られた時に恥ずかしくないように、綺麗に見えることが目的なのでしょうか?

この目的が決まっていないと、矯正治療か審美治療なのか判断が難しくなってしまいます。

特に矯正治療は、長い年月をかけて行います。また矯正器具をお口に装着するなど、生活にも支障をきたすこともあります。審美治療であれば、短期間で歯並びを綺麗にみせることが可能です。さほど歯並びを気にしていなく、見た目を重視しているのであれば、審美治療を受けた方が良いことも多いでしょう。

どちらにもメリットとデメリットがあります。どんな治療を行うのか、そしてどれくらいの治療期間が必要なのか。費用はどれくらいかかるのか、それらを把握した上で審美なのか矯正なのか、歯科医に相談されるとトラブルなくあなたにあった治療法を見つけることができるでしょう。

具体的なケースの一例

たとえば、上の前歯に変色と隙間ありずっとコンプレックスになっている方がいるとしましょう。

審美歯科で治療する場合

前歯2本を削って被せて3回程の治療で終了し隙間と変色を改善できます。

矯正歯科で治療する場合

レントゲンなど撮影して診断を行い原因究明します。そして、1年から2年程度装置をつけて歯を削らず前歯の隙間の改善をします。しかし変色は改善できません。

このケースの場合、もし前歯に変色が無かった場合は矯正と審美どちらを選択するのでしょう?

近年ではデジタル化の発達でマウスピース矯正も進歩してきています。矯正の装置が見えずに矯正することも可能ですし、前歯の限られた隙間や多少の歯並びのガタガタであれば、マウスピースを使用したいわゆるプチ矯正も安価に短期で行えるようになっています。

このように一つのケースでも治療法の選択肢は複数ありますので、一人で考えずに歯科医に相談されることをお勧めします。

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